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子どもの意見表明支援員(子どものための代理人)制度開始にあたっての会長談話


2021年(令和3年)10月1日
兵庫県弁護士会
会 長  津 久 井 進

 

 当会は、本日より、明石こどもセンター及び兵庫県の各こども家庭センターとの協力提携の下で、「子どもの意見表明支援員(子どものための代理人)制度」を開始します。これは社会的養護下にある子どもの人権を擁護する活動の一環です。子どもの心の声を聴き、受け止め、代弁し、子どもの意思決定を側面支援し、そうすることで子どもの最善の利益を追求し、子どもの意見表明権の行使を実質的に保障するアドボケイトの仕組みです。
 児童福祉法に基づく一時保護は、虐待が疑われるなど不適切な養育環境から一時的に分離し、子どもの命や尊厳を守る極めて重要な制度です。もっとも、一時保護された子どもは、ある日突然、それまでの家庭や学校環境から切り離され、多くは一時保護所という未知の環境に置かれます。また、自分が今後誰とどこでどのように生活していくのか見通しの立たない状況に置かれます。一時保護は、本来、子どもの人権を守る制度ですが、子どもの行動の自由、表現の自由、学習の自由、自己決定権など憲法的価値に直結する人権保障が課題となる行政処分でもあります。
 子どもは、生まれながらにして自己決定を行い、権利行使する主体です。そうであるからこそ、子どもに対する処遇が決められる過程において、何よりも子ども自身の意思や思いが反映されなければならないはずです。
 当会は、これまで、社会的養護下にあっても子どもが自ら権利行使できるよう、子どものための代弁者(アドボカシー)が必要であると考えてきました。 当会は、まずは、一時保護所などに保護された子どもを対象に、子どもの意見表明支援員(子どものための代理人)として弁護士を速やかに派遣し、その子どもの思いを受け取ったうえで、その意思が適切に反映されるよう、児童相談所を含め関係機関に働きかけて参ります。
 明石市及び兵庫県におかれましては、「子どもの意見表明支援員(子どものための代理人)制度」を導入されたことに深く敬意を表します。導入に至るまでの協議過程を通じ、両自治体の子ども政策にかける並々ならぬ情熱に触れることができました。当会としても、全国の先駆けとして内実のあるより良い制度になるよう注力していく所存ですので、引き続き連携協力をお願いする次第です。

以上


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