トピックス

HOME > 子どもの最善の利益推進に向けた多可町との連携協定締結に関する会長談話
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

トピックス



子どもの最善の利益推進に向けた多可町との連携協定締結に関する会長談話


2021年(令和3年)9月24日
兵庫県弁護士会
会 長  津 久 井 進

 

 本日、当会は、多可町との間で、子どもの最善の利益推進に向けた連携協定を締結しました。この協定は、学校教育や児童福祉など、多可町が講じる子どもに関する施策全般にわたって、町からの求めに応じて弁護士を派遣することを目的とするものです。このような協定を自治体と締結するのは、当会でははじめてとなります。
 多可町では、2017年(平成29年)に、当時小学5年生だった児童が、いじめが原因で自死する事案が発生しました。多可町は、これを重く受け止め、第三者委員会による調査、再調査委員会による調査を実施しました。また、その調査結果を受けていじめ防止対策検証委員会を設置し、再発防止に向けた取り組みを、学校側の要因に着目して今なお継続しています。当会では、こうした多可町の取り組みに関し、要請を受けて、その都度当会会員である弁護士を派遣して参りました。
 当会は、多可町における取り組みを通じて、子どもたちの基本的人権を擁護し、子どもの最善の利益を追及する施策推進に真剣に取り組む多可町の姿勢に共感し、この協定を締結することとした次第です。
 子どもたちが暮らし、生きる環境を捉える視点は様々です。いじめ、虐待、貧困などの切り口のほか、近時はヤングケアラーという切り口も注目されています。これらに共通するのは、親に責任を押し付けるのではなく、社会全体の責務として、一人ひとりの子どものためにできることを考え実行していくということです。そこに一人の子どもが苦しんでいる現実があったとき、その親やその子自身の責任として問題を捉えるのではなく、学校環境・社会環境など社会システムに潜む問題に着目する視点を持つことが不可欠です。そうした対応を不断の努力でもって続けていくことで真の持続可能な社会が形づくられるに違いありません。
 当会は、本協定に基づき、多可町の子どもたちの幸福追求に向けた課題を解決するために、子どもたちを取り巻く社会システムの一員であることを自覚し、あらためて弁護士法第1条の理念を踏まえその使命と責務を全うする所存です。
 そして、多可町に限らず、広く一人ひとりの子どもの最善の利益が当然に追求される社会の実現を目指して、引き続き子どもの人権擁護活動に邁進して参ります。

以上


PDFファイルはこちら→





ページのトップへ
兵庫県弁護士会