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2024年

「罹災証明書」とは-自宅の被害 有無や程度証明

 神戸新聞2024年9月4日掲載
執筆者:石山 幸由理 弁護士

全国各地で地震や台風など災害が発生したとの報道がされており、 人ごとでいられません。生活を再建するために「罹災(りさい)証明書」が必要などと聞いたのですが、「罹災証明書」とは何でしょうか。

 「罹災証明書」とは、地震や暴風、洪水などの自然災害発生時に、居住のために使用している建物について、被害の有無や程度を市町村が証明する書面です(災害対策基本法第90条の2)。

 「罹災証明書」の発行は、居住建物が対象なので、別荘や店舗(ただし、住宅として兼用されている場合を除く)には発行されません。

 「罹災証明書」に記載される建物の被害の程度は、「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「準半壊に至らない(一 部損壊)」のいずれかの区分で認定を受けることが一 般的です。

 発行を受けると、被害程度の判定内容によって、「被災者生活再建支援金(基礎支援金)」の支給や、税金の減免、各種融資などの支援を受けられる場合があります。

 「罹災証明書」の発行窓口は、各市町村です。被災した建物に居住している方であれば、持ち家か、借家かにかかわらず、申請することができます。申請すれば、市町村の関係者が家屋の被害状況を現地調査し、その後、市町村が被害の程度を認定して、発行を判断します。

 申請の期限は、原則として、災害に遭われた翌日から90日以内です。ただし、入院などやむを得ない事情があった場合、例外が認められることがありますので、市町村に相談されることをお勧めします。また、大規模災害の場合には、申請の期限が延長されることもあります。

 建物を修繕した後に申請された場合、現地調査で被害の程度が確認できずに「罹災証明書」の発行がされないこともあります。早急な修繕が必要で、やむを得ず「罹災証明書」の申請前に修繕する場合、修繕前の被害状況が確認できる写真や修理業者からの見積書などの証拠を集めて保管しておいてください。

 災害後は、ご自身やご家族の生活再建のため、多忙で疲弊されることも多いと思います。 罹災証明書の発行や内容について弁護士会に相談することもご検討ください。

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