結論から言うと、犯罪組織による特殊詐欺(「オレオレ詐欺」など被害者から金銭をだまし取る行為)に加担する、いわゆる「闇バイト」の可能性が極めて高いです。犯罪組織の上層部が利益(被害金)を確保するために、犯罪の実行役を担った後、都合よく切り捨てることができる人材を探しているのです。

　最近は、犯罪と縁のない人がＳＮＳ（交流サイト）や知人のつてなどを通じて、「高収入で簡単なバイトの募集」などと声をかけられ、安易に犯罪に加担するケースが増えています。

　また、一度でも闇バイトに参加すると、その事実を基に脅迫を受けてお金を要求されることもあります。中には、家族に危害を加えられて、抜け出せずに犯罪を繰り返す人もいます。

　犯罪組織にとっては単なる使い捨てのため、「闇バイト」を実行した被疑者が逮捕されることが非常に多いです。被疑者が起訴され、刑事裁判で有罪となれば、懲役刑を受けることもあり得ます。

　大学生である息子さんが犯罪に加担したことが発覚すれば、退学も覚悟すべきでしょう。高額な報酬を得られると安易に考えて、「闇バイト」に手を染めると、自分が犯罪者になるのみならず、被害者を傷つけ、家族に迷惑をかける結果になります。「バイト」などという言葉に惑わされずに慎重な行動が求められます。

　「闇バイト」という恐ろしい世界に足を踏み入れないためには、最初が肝心です。

　闇バイトの危険から逃れるためには、①疑う心を持つ　　②毅然と断る態度を持つ　③相談相手を持つ　④道徳心を持つ　⑤警察に助けを求める勇気を持つ－ことが求められます。

　ご質問の方は、闇バイトから息子さんを遠ざけるとともに、息子さんと一緒に警察に行って相談してください。