神戸新聞2021年9月15日掲載
執筆者:山城 尚嵩 弁護士
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インターネットで買い物をしたり、スマホアプリを利用したりすることが多いのですが、契約内容や個人情報について漠然とした不安を持っています。どのようなことに留意すればよいのでしょうか?
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インターネットで商品の購入やサービスの利用を行う場合にチェックすべき「資料」は大きく分けて3つ。①利用規約②プライバシーポリシー③特定商取引法に基づく表示です。それぞれの役割を知り、確認する習慣をつけましょう。
利用規約は、インターネットサービスの利用(通販における商品の購入やアプリの利用を含みます)に際しての約束事項が定められたものです。ここには、会員登録条件や禁止事項、利用料金などの重要な条件が記載されています。
プライバシーポリシーは、インターネットサービス利用者の個人情報の取り扱いが定められたものです。特に個人情報がどのように利用されるのか、第三者に提供することがあるのかという点が重要で、必ず目を通すようにしましょう。
特定商取引法に基づく表示は、通信販売(課金を伴うゲームなど有料アプリも含みます)を行う事業者が定める公表事項となります。万が一トラブルになった際の問い合わせ先である販売事業者の情報や、支払い時期や支払い方法、その他返品の有無に関する事項などが記載されています。
手元にあるパソコンやスマートフォンでインターネット通販やアプリの利用をしようとしたとき、①~③の全部または一部が表示されるでしょう。中には、これまで①~③が出てきたけれども「読まずに同意ボタンを押した」という方もいるかもしれません。
確かに、分量が多くてなかなか目を通すのは難しいと思います。しかし、インターネットやスマートフォンの普及により思わぬネットトラブルが増えていることも事実です。
ですから、まずは①~③の持つ役割を知った上で、「気になるところだけでも目を通す」という習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。こうした習慣はネットトラブルに巻き込まれない予防策として重要になってくるでしょう。