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2020年

16歳の息子が同級生からいじめられている-証拠残して専門機関に相談を

 神戸新聞2020年7月15日掲載
執筆者:若松 辰太郎弁護士

 16歳になる息子がどうも学校の同級生たちからいじめられているようです。同級生たちは「いじって遊んでいるだけ」と言います。どのような行為がいじめになるのでしょう。法律には違反しないのですか。

いじめには定義があります。いじめ防止対策推進法は第2条で、同じ学校に通うなど人間関係のある子どもからの行為で、その対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものと定義しています。また、いじめる側が「ふざけただけ」という認識でも、いじめられた側が「嫌だ」と思えば、いじめになり得ます。「インターネットを通じて行われるものを含む」とも明記されています。

いじめをすると主に同推進法、民法、刑法に違反する恐れがあります。

同推進法は学校に適切な対策を求め、保護者に対しても(わが子が)いじめをしないように指導し、発見したら解決に協力するよう求めています。

民法は、いじめによって精神的な苦痛を受けたり、身体的にけがをしたりした場合に損害賠償等ができると定めています。

また、暴力を伴ういじめは、暴行罪や傷害罪、脅しや何らかの行為の強制、金品を脅し取るといった場合には脅迫罪や強要罪、恐喝罪となる可能性があり、学校内での行為であろうと刑事罰に問われることがあります。

では、お子さんがいじめ被害に遭っていると思われるとき、どうすればよいのでしょうか。

証拠を残すのが何より重要で、けがの写真を撮る▽被害を日記などに書き残す▽教師への連絡ノートに書いて伝える-が考えられます。LINE(ライン)なら、トークルームごとに削除できるのでスクリーンショットで画面を残す、口頭であれば録音する(アプリで簡単にできます)。とにかく徹底して記録してください。そうでないと「やった」「やらない」の水掛け論になりかねません。

また1人で悩まず専門家に相談してください。文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」、法務省の「子どもの人権110番」など無料相談窓口も増えています。弁護士の電話相談や直接の相談など何らかの機関とつながってください。子どもをいじめから守るためチームを組んで対処しましょう。

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