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2004年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「息子の非行-早めに最寄りの弁護士会へ」神戸新聞 2004年7月6日掲載

執筆者:徳岡 宏一朗弁護士

Q:高校1年生の一人息子が中学の後半ごろから、免許もないのにバイクを運転したりしています。また、万引やシンナーのほか、先日は、同級生とけんかになり、傷害を負わせてしまいました。どこに相談したらいいかもわかりません。

A:無免許運転は道路交通法違反、万引は刑法の窃盗罪、シンナーは毒物薬物取締法違反、傷害は刑法の傷害罪にあたりますから、残念ながら息子さんは、かなり非行が進んでいるといわざるを得ないでしょう。

このように非行が進んだ少年事件については、警察は逮捕・拘置した上で、家庭裁判所の決定を経て鑑別所に送ることが多いです。鑑別所には原則4週間までおり、その生活の中で、息子さんの資質や問題点などを家庭裁判所の調査官や鑑別所の技官が明らかにして、裁判官に意見書を提出します。

調査官や技官は、いわば中立的な立場ですが、息子さんの処遇については、その中立性ゆえに、時に厳しい意見が述べられることもあります。

これに対して、息子さんを弁護する立場から味方になるのは、弁護士ということになります。弁護士には、弁護士会に電話をして当番弁護士制度を利用し、駆けつけてもらうことができます。

弁護士は、警察で捜査中のときは弁護人として弁護活動にあたり、家庭裁判所では付添人として、息子さんと事件のことやその原因などについて話し合って息子さんの内省を促します。

また親御さんとも相談をし、なんとか少年院などの施設に行かなくても更生できるような材料(これを社会的資源といいます)をそろえるよう努力します。万引や傷害などについては、示談や弁償などを進めます。

審判の席にも立ち会って、息子さんの立場からより良い処遇が得られるように、意見を述べます。

もし、付添人弁護士の費用の支払いに心配があるときは、弁護士費用を立て替え払いしてくれる法律扶助制度もありますから、弁護士に聞いてみてください。