県内自治体との災害協定の締結に取り組む会長談話
2021年(令和3年)8月26日
兵庫県弁護士会
会 長 津 久 井 進
本日、尼崎市と当会の間で「災害時等における連携協力に関する協定」を締結いたしました。
この協定は、尼崎市内で豪雨や地震等の自然災害が発生した場合に、一人ひとりの被災者に対する迅速な生活再建の支援を図るため、弁護士による相談や有益な法的情報の提供等について連携協力すると共に、災害に備えて平時から連携強化に努めることを内容とするものです。
当会が、県内自治体と災害連携協定を結ぶのは、尼崎市が初めてとなります。
協定締結にご努力いただいた関係各位に心より御礼を申し上げると共に、尼崎市民の方々にとって困ったときに頼れる存在となるよう力を尽くして参ります。
近時、地球温暖化の影響もあって各地で自然災害の被害が発生しています。阪神・淡路大震災を経験した兵庫県においては、自然災害への備えは喫緊の課題です。
また、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な事態は災害にほかなりませんが、今回の協定はこうした感染症のまん延や、大規模な火災や事故等も対象とし、市民生活に多大な影響を与える危機を広く対象としています。当会は、各災害に応じた電話相談や面談相談はもとより、被災現場に出向いて相談会等も実施いたします。
この協定をきっかけに、平時には、第1に、被災者の不安を少しでも安心に変えられるよう連携体制を十分に整備し、第2に、生活再建に関する法的情報を弁護士会ニュースやSNSを通じて分かりやすく発信できるよう準備し、第3に、尼崎市と当会が信頼関係をもって連携できるよう顔の見える関係づくりに努めます。
当会は、今後、尼崎市と同様に、兵庫県内の全ての自治体(1県、29市、12町)と協定を締結し、県内における災害時の対応について連携関係を築いていく予定です。
2018年12月には、全国市長会と日本弁護士連合会との間で「災害時における連携協力に関する協定」が締結され、全国各地で同様の動きが進んでいます。
また、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念や、法の支配を意味する「平和と公正をすべての人に」(SDGs目標16)は、災害時にこそ重要となります。まさに「目標のためのパートナーシップ」(SDGs目標17)を構築することが求められる場面ですので、当会は、一人ひとりの市民のために真に役立つ法的支援の必要性を訴えて県内自治体に連携を呼び掛けていく所存です。
以上