くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談 > 2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 >公道に出るには他人の私道を通るしかない−車両は認められないことも
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

公道に出るには他人の私道を通るしかない−車両は認められないことも 神戸新聞 2016年10月5日掲載

執筆者:藤田 翔一弁護士

Q:私の自宅から公道部分に出るには、近所の人が所有する私道を通るしか方法はなく、長年の間、車両も含めて通行していました。今回、私道の持ち主から、今後は車両の通行を認めないと言われていますが、どうすればよいでしょうか?

A:他人の土地に囲まれているため公道に至ることができない土地を「袋地」といい、その土地を囲んでいる土地を「囲繞地(いにょうち)」といいます。袋地の所有者は、公道に至るために囲繞地を通行できるとされ、このような権利は、「囲繞地通行権」と呼ばれます。囲繞地通行権は、法律により当然に発生する権利なので、囲繞地の所有者が通行を拒否することは原則として許されません。
今回の事案の場合は、ご自宅から公道に至るために他人が所有する土地を通らなければならず、ご自宅の土地が袋地にあたるのであれば、囲繞地通行権が認められることになるでしょう。
しかし、囲繞地通行権が認められるからといって、当然に隣地の私道を自動車などの車両で通行できるわけではありません。通行する囲繞地の場所や通行方法は、通行の必要が認められ、さらに通行する土地にとって損害が最も少ないものを選ぶ必要があるからです。
どのような場合に自動車などの車両の通行を前提とするような囲繞地通行権が認められるのでしょうか。裁判所は、車両の通行を認める必要性、周辺の土地の状況、囲繞地の所有者が被る不利益などの事情を総合的に考慮して判断しており、いわばケース・バイ・ケースであるのが実情です。
今回の場合、以前から長期間にわたって問題なく車両の通行を行っていたとすれば、それによって囲繞地の所有者が受ける不利益は大きくないと考えられます。しかし、私道部分を車両が通行する必要性がどの程度あるのか、車両が通行する私道部分の幅や大きさの状況などその他事情によっては、通行が認められない可能性もあります。
このように、車両の通行を前提とする囲繞地通行権が認められるかについては、さまざまな事情を総合的に考慮して決定されることになります。今回のように争いが生じる可能性がある場合には、弁護士に相談することお勧めします。

掲載年一覧

ページのトップへ
兵庫県弁護士会