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2016年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

離婚協議中の夫が娘を連れて行った−家庭裁判所で調停や審判 神戸新聞 2016年9月21日掲載

執筆者:二野 ももこ弁護士

Q:私は夫と3歳の娘と暮らしています。夫とは、離婚の話し合いをしていましたが、ある日、保育所に娘を迎えに行くと、夫が娘を連れて実家に帰っていました。娘を連れ戻したいのですが、方法はありますか?

A:今回の事例では、相談者は、簡単に娘を連れ戻すことができません。なぜなら、父母ともに娘の監護権(身体上の監護保護をする権利)があるからです。
まずは、相手方と話し合い、子の引き渡しを求めることになります。
当事者同士の話し合いが難しい場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、裁判所で話し合うこともできます。話し合いの余地がない場合には、審判を申し立て、裁判所の判断を仰ぐこともできます。緊急性がある場合には、保全処分を申し立て、暫定的な子の引き渡しという措置を求めることもできます。
別居中の夫婦の間で、子の引き渡しに関して争いがあるということは、子の監護者に関しても争いがあるということなので、前記の申し立てを行う場合には、一般的に、子の監護者指定の申し立ても併せて行うことになります。
裁判所は、これまでの監護養育状況、今後の養育方針や環境、子の意向など、一切の事情を考慮して、子の引き渡しを認めるか(父母どちらを監護者とするか)を判断します。
子の引き渡しを認める審判などが出ても、相手方が子を引き渡さないことがあります。このような場合、裁判所の執行官に強制執行を申し立てることができます。強制執行は、期限内に子を引き渡さないときに、相手方に金銭の支払いを命じる間接強制と呼ばれる方法と、執行官が子の居場所まで足を運び、子を引き取る直接強制と呼ばれる方法があります。なお、直接強制は、子に精神的な負担をかける恐れがあるため、実務では慎重な運用がなされています。
強制執行の手続きを取っても、子が引き渡されない場合には、最後の手段として地方裁判所などに人身保護請求を申し立てることになります。この手続は、迅速性や実効性がある半面、子の引き渡しが認められるための要件が厳しく、原則として弁護士を代理人としなければならない点に注意が必要です。

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