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サラ金などの借金で困っているとき

自己破産・管財人が就任する場合

弁護士:中山知行

破産というのは、経済的に破綻してしまって、もはや全財産を投じても債務全額の返済が不可能になってしまったときに、裁判所が「破産手続開始決定」をする手続きのことをいいます。
このような破産手続きを、自分自身で申し立てることを「自己破産」といいます。

ところで、破産手続とは、具体的にはどんな手続きなのでしょうか。
簡単に手続きを追っていきましょう。
まず第1段階では経済的な破綻状態になっているかどうかを検討することになります。
ここで支払不能と判断されると破産手続開始決定を受けることになります。
破産手続開始決定を受けると、第2段階で、破産管財人という者が全ての財産を管理し、財産を換価(売却などしてお金に換えること)します。
第3段階で、破産管財人が、借金の内容(言い換えると、債権の種類・金額)を調査して債権額を確定します。
そして第4段階で、債権者に対して換価したお金を平等に配当します。
最後の第5段階で、破産者の残った債務を免除するかどうかを判断します(債務者が法人の場合は、この免責手続はありません。)。

このような手続きのうち、第1段階の破産手続開始決定だけを行い、第2〜4段階を省略して、第5段階の免責手続きに移行するものを「同時廃止事件」といいます。
一方、第1〜5段階を全てフルコースで行う手続きを「管財事件」といいます。
破産法という法律は、この管財事件になるようなケースを想定して作られていますので、あくまでも原則は管財事件で、同時廃止事件は例外的な取り扱いという格好になっています。

しかし、近年の大衆消費社会においては、サラ金のコマーシャルやクレジットカードの普及などによって多重債務を抱える方が増え、一般市民の方が破産するケースが多数となりました。消費者破産の例では「同時廃止事件」の方が圧倒的に多く、「管財事件」は数少ないのが現状です。

さて、「同時廃止事件」になるか「管財事件」になるかは、破産手続開始決定時に所持している財産の評価が、99万円以下かどうかが一つの基準となります(2005年1月1日から)。
また、(1)破産者が法人の場合(会社ケース)、(2)破産者が個人事業者であった場合(事業者ケース)、(3)破産の経緯に問題があり管財人による調査が必要と思われる場合(疑義ありケース)等には、管財人が選任されることになります。

「管財事件」の場合は、破産手続開始決定を受けるために、最低20万円の予納金を裁判所に納めなければなりません。
このお金は、破産手続(換価・債権調査・配当事務など)の費用にあてられることになっています。

ところで、管財事件となりますと、破産手続開始決定と同時に破産管財人が選任されます。
破産管財人は、裁判所の下部機関として置かれるもので、公的な立場で職務を行うことになりますが、現状では弁護士が選任される例がほとんどです。

管財人は、あくまでも公的な機関として職務を行います。
したがって、破産者に有利に事を運ぶわけではありませんし、時には債権者とも対立する場合もあります。
そういう意味では、たいへん独立性の強い中立的な立場になるわけです。
破産者あるいは債権者としては、管財人がそのような立場であることを理解しておく必要があります。逆に言えば、管財人には高い信頼性が期待できますので、破産事件と利害関係を持った場合には、管財人の職務の内容に注目したらよいということが言えます。

例えば、管財人の職務の一つに換価手続きというものがあり、破産者の財産(破産財団)のうち、売却できるものは売却処分するのですが、売却の当事者は管財人です。したがって、管財人から不動産や自動車などを買い受けるということもあるでしょう。
この場合、一般の市場価格よりもかなり安価なことが多いですが、あくまで破産手続きの中で処分が行われるので、売買契約自体の信頼性はありますが、返品や瑕疵担保が認められないことがありますのでこの点は注意が必要です。

また、破産者に対して債権を持っている方は、債権の届出を行うことになりますが、債権の調査を行うのは管財人です。
管財人が債権の内容を承認すると、判決を得たのと同じだけの効力が認められますが、債権の存在を示す資料が十分でないと異議を出されることもあります。
この場合、きちんとした届出をするとともに、管財人の指示や注文に誠実に応える努力が必要です。

一方、破産者となって管財人と関わる場合は、管財人の指示に従わなければならず、説明を求められたらきちんと事情説明する義務もあります。
同じ弁護士であっても、申立代理人(自分の立場で代理をしてくれる)と、管財人(あくまで公的な職務執行者)では、役割が全く違うので注意が必要です。
管財人は、最終的な免責手続きにおいて免責の許否について意見を言う立場にありますから、その意味でも管財人の職務執行には協力をする必要があると言えるのです。

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兵庫県弁護士会