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サラ金などの借金で困っているとき

システム金融について

1. システム金融とは何か

システム金融業者とは、主に中小企業向けにFAXやダイレクトメールで融資の勧誘を行い、企業からの融資の申込に対しては、面談もせず、手形・小切手を郵送させるだけで融資をする闇金融業者です。
例えば、25万円の手形・小切手を3枚、満期が1週間後、2週間後、3週間後にして送付すれば、今日、50万円を融資するなどという具合です。
融資は、即日指定された銀行口座に振り込まれます。
その金利は極めて高く、年利800%から2000%に及びます。
そして、そのほとんどは、貸金業の登録をしていない無登録業者です。
実体を隠すため、手形や小切手の送付先が、郵便局の局留めになっていることがよくあります。
転送電話を使っているため、こちらから電話すると、かけ直すと言われたりします。

システム金融業者は、業者間で顧客情報を交換しあっており、一度借り入れをすると、その手形・小切手の支払期日の前日から、別の業者が集中して勧誘をして来ます。
「システム金融」という名称は、そのような営業形態から、業者自らが名付けたものと言われています。

2. システム金融から融資を受けるとどうなるか

システム金融は、担保も保証人もとらず、他からの借り入れの有無も問わず、即日お金を貸してくれます。
今日明日の支払のことだけを考えるなら便利な存在のように見えます。
しかし、本当にそうでしょうか。

システム金融の利息は、年800%から2000%です。
今日、50万円を借りたら、1週間後に25万円、2週間後に25万円、3週間後に25万円を返済しなければならないという前述の例だと、返済が利息からなされたとしても、その金利は、年1042.857%ということになります(注1)。
1年間で10倍になるということです。
あなたは、3週間の間に、50万円の元手を75万円にする商売を知っていますか。
もっと金利の安い業者はいくらでもあります。
システム金融業者から借りたお金は、他の業者から借りたお金と異なり、特別に利益を生むというわけではありません。失礼ですが、金利の安い業者で借りたお金すら返せないから、システム金融業者から借りざる得なくなっているのではないですか。
返せないお金を借りてはいけません。
そんなときは、正々堂々と返済不能を宣言すべきです(→サラリーローンやクレジット、住宅ローンなどで、返済が苦しくなったら)。

システム金融の恐ろしさは、それだけではありません。
システム金融業者は、支払のため、債務者に手形や小切手を振り出させますが、システム金融業者は、それをいやおうなく交換に回すのです。返済ができないからといって待ってはくれません。
普通の業者は、債務者が破産すると回収できなくなるし、長く借りてもらった方が利息を多くもらえるので、支払が苦しくなっても、たいていの場合、和解に応じてくれます。
しかし、システム金融業者は、自分たちのような高利の業者に手を出した債務者が、いずれ不渡りを出すのを知っているので、手形や小切手を交換に回すのを待ったりはしないのです。
交換に回ってきた手形や小切手が支払えなければ不渡りです。
半年間に2回不渡りが出れば、銀行取引停止処分となり倒産は免れません。
つまり、不渡りで脅して貸金の回収を図るのがシステム金融なのです。

このように、不渡りの脅しがあるために、システム金融から借り入れた債務者は、手形・小切手の支払期日が近づくたびに、金策に追われることになります。しかし、もうシステム金融業者しか貸してくれるところがありません。
そこで、やむを得ず、別のシステム金融から借入をすることになります。
また、システム金融の方も顧客情報を交換しあっていて、手形・小切手の支払期日が近づくたびに、その顧客に対して電話やFAXで勧誘を始めるのです。
こうして、いったんシステム金融業者から借入をすると、短期間のうちに支払わなければならない手形・小切手がふくれあがります。

しかし、システム金融業者といえども、いつまでも無尽蔵に貸してくれるわけではありません。
いつか借りられなくなるときが来ます。
そのときは、支払うべき手形・小切手の山を前に、不渡りを待つしかなくなるのです。

すべてシステム金融からお金を借りたことから始まったことです。
手形や小切手さえ振り出さなければ、支払が遅れても不渡りになることはなかったのです。
他の債権者と返済についての話し合いをすることができたかもしれません。
他の金融業者と違い、システム金融業者は、あなたの商売の援助のためにお金を貸しているのでなく、あなたの窮乏につけ込み、あなたに残っている財産を搾り取るためにお金を貸す形式をとっているのです。

システム金融業者からは、絶対借りてはいけません。

(注1)本文の例の場合、25万円を21日間(貸出日から3週間後まで)、25万円を14日間(貸出日から2週間後まで)運用した利息が25万円ということになる。
利率をXとすると
250,000X×21÷365+250,000X×14÷365=250,000
という式が成り立つ。
250,000X×21+250,000X×14=250,000×365=91,250,000
5,250,000X+3.500,000X=91,250,000
8,750,000X=91,250,000
X=91,250,000÷8,750,000
X=10.4285714285
この場合の年利は、約1042.857%となる。

3. システム金融からの借り入れを法律の面からみるとどうなるか。

(1) 刑事上の効果

システム金融業者の貸し付けは、年利に直すと、年800%から2000%になることは説明しましたが、「出資の受け入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」5条2項は、金融業者が年29.2パーセントを超える割合による利息の契約をし、又はこれを超える割合による利息を受領したときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めています。
システム金融は、当然この規定に反します。

システム金融業者の中には、この規定の適用を逃れるため、「抱き合わせ」といって、形式上商品の売買の形式をとり、返済金はその商品の代金の分割払いだと主張する者もいますが、法律上はそのような屁理屈は通用しません。

さらに、貸金業を営むには、貸金業の規制に関する法律3条1項、同法11条1項の規定により、金融再生委員会または都道府県知事の登録を受けることが必要であり、登録を受けずに、貸金業を営んだものには、同法第47条2号により、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となります。
システム金融業者で、貸金業の登録を受けていない者は、これらの規定にも反します。

(2) 民事上の効果

これらの違法な貸し付けの民事上の効果は、公序良俗に反するものであるから民法90条により無効であり(注2)、システム金融業者が引き渡した金銭については、不法な原因に基づく給付として、民法708条(注3)により返還請求をなしえないと考えられます。

システム金融業者が引き渡した金銭について返還義務がないことは、債務者が一度も返還していない場合も同じです。
利息のみ支払義務がないということではありません。
ただ、これについては、最高裁の判例はまだなく、「借りたものは返すのが当然」といって、元本の支払義務のみはあると考える法律家がいないわけではありません。
しかし、多くの法律家は、民法708条の適用を肯定していますし、それを認めた地裁の判決もあります。システム金融のような高利業者の存在が、家族離散、自殺、犯罪等の引き金になっています。
このような場合に、「借りたものは返すのが当然」という考え方を貫くことは、貸し付け行為の一部分のみを見て、利息の部分に目をつぶる偏った見方というべきです。

また、貸金業法上の無登録業者が資金の借り受けの仲介をした場合に、無登録業者は、その媒介手数料を裁判において請求できないとした判決もあります。
この考えからすれば、貸金業法上の無登録業者がした貸金も裁判において返還請求できないと
考えるべきでしょう。

(3) このように、システム金融の貸し付けは、民事上、刑事上ともに違法な行為なのです。

(注2)第90条 公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス

(注3)第708条 不法ノ原因ノ為メ給付ヲ為シタル者ハ其給付シタルモノノ返還ヲ請求スルコトヲ得ス但不法ノ原因カ受益者ニ付テノミ存シタルトキハ此限ニ在ラス

4. システム金融から借り入れてしまったらどうするか。

(1)

システム金融からの借り入れをしてしまった場合は、できるだけ早く弁護士のところに相談に行ってください。
消費者問題に詳しい弁護士であれば、業者と元本以上の支払額について返還の交渉をしてくれます。
相手方も自らの違法を知っているので、弁護士が受任すると、かなりの割合で交渉に応じてきます。

このとき、弁護士に事情を説明するためや後日の証拠とするために、業者から送られてきたFAX、手形・小切手帳の耳、簡易書留の控え等、システム金融業者との取引の記録は、完済した業者といえども、捨てずに保存しておくことが大事です。
弁護士としても、連絡先も分からない業者に過払い金の返還交渉をすることは不可能です。

なお、弁護士に相談するについて、もしそれがシステム金融業者にばれたら、仕返しされるのではないかとか、家に押しかけられるのではないかなどと心配する必要はありません。
システム金融業者は、自らの違法を知っており、表に出てくるのを嫌います。
だからこそ、郵便物の宛先を局留めにしたりするのです。
弁護士が出てくると、間違い電話だといってしらばくれたり、事務所を畳んで行方不明になる業者がほとんどです。

(2)

未払いの手形・小切手も、弁護士が交渉すると、多くの場合、返還に応じてきます。
中には、弁護士が電話をかけると、うちはその業者なんか知らないなどといって、しらばくれる者もいますが、その多くは、残りの手形・小切手を交換に回しません。
支払呈示期間(注4)が経過した後に回ってきた手形・小切手の支払を拒絶しても不渡り処分にはなりませんから、あとは、相手が民事訴訟でも起こしてこない限り、放置しておけばよいのです。
ちなみに、手形・小切手の時効期間は、約束手形の振出人の責任が満期から3年、小切手の振出人の責任が、支払呈示期間経過後6か月です。

(3)

しかし、弁護士が交渉をしても、手形・小切手を交換に回す業者が全くいないわけではありません。
この場合は、当座預金をもっている銀行等に、手形や小切手の券面額と同額の異議申立提供金を積んで、銀行等から手形交換所に異議申立をしてしてもらうしかありません。
それができない場合は、不渡り処分を受けることになります。
弁護士の交渉にもかかわらず、手形・小切手を交換に回す業者が多ければ、支払呈示される手形・小切手すべてに異議申立をすることができないかもしれません。
弁護士に依頼したといっても、必ず不渡りを避けられるわけではありません。

(4)

もし、振り出したすべての手形・小切手の支払呈示期間が経過して不渡りがでておらず、資金に余裕があるのなら、システム金融業者への反撃のチャンスです。
前述のとおり、システム金融業者の行った融資については、法律上は返還義務がないと考えられますから、それについて弁護士から警告を受けつつ、手形や小切手を交換に回した行為は、不法行為です。
システム金融業者が手形・小切手を交換に回してきた口座の名義人を相手に損害賠償請求をすることが可能でしょう(多くの場合、口座の名義人は、システム金融業者からお金をもらって口座を貸していたシステム金融業者の一味です)。

また、それに基づく損害賠償請求権を被担保債権として、システム金融業者が手形・小切手を交換に回してきた口座に仮差押えをかけることも可能です。
ただ、そのためには、担保として、請求額の25%程度の担保を積まなければなりません。

そのほかにも、警察署・検察庁への告訴・告発、システム金融業者が手形・小切手を交換に回してきた口座の名義人について、税務署への告発等、業者に対する反撃はいくつか考えられます(筆者が相手にした業者の場合、2年4か月で1億4400万円を超える売上がありました。
システム金融業者が真面目に納税しているとは考えられません)。

なお、システム金融業者からの借り入れについては、民法708条により返還義務はないと考えられると説明しましたが、これは、返済する意思を持ちつつ借りた場合のことで、当初から、踏み倒すつもりでシステム金融業者に借入の申込をするのは、詐欺罪にあたり(刑法246条1項)、犯罪ですから注意が必要です。

(注4) 手形の場合、満期から3営業日。
小切手の場合、振出日から10日間。
但し、小切手の場合、銀行に対して支払委託の取消をすることが必要。

 

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兵庫県弁護士会