●190118 大阪地裁 消滅時効期間経過後の債務の承認と消滅時効の援用権の喪失
●大阪地裁平成30年(レ)第203号 貸金請求控訴事件(平成31年1月18日言渡)
●裁判官 福田修久、岡野慎也、中澤崇晶(16部)
●代理人 田哲也、別所美保
●原審 大阪簡易裁判所 平成30年(ハ)第5156号

●要旨

◎ 最終弁済から17年以上経過した貸金債権について、第1審の貸金返還訴訟において、債務者(控訴人)が請求原因事実をすべて認め、金1万円ずつ支払うとの和解を希望する旨を答弁書に記載した上で判決がなされ、控訴審で債務者が消滅時効を援用した事案につき、「請求原因事実を認めたことや分割払いの提案が控訴人の完全な自由意思によって行われたものと認められない」、「被控訴人は、本件債務について消滅時効が完成していることを十分認識しながら、控訴人が消滅時効について法的知識を欠くことに乗じて、後の時効援用を封じる意図の下に分割弁済をもちかけて、分割弁済の申し出をさせたとの疑いが強いというべきである」などど認定し、債務者による消滅時効援用が信義則に反しないものというべきであるとして、貸金請求を認めた原判決を取消し、被控訴人の請求を棄却した判決。

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